会長挨拶

パラダイムにシフトすべきか「行政書士」

北海道行政書士会会長 宮元 仁

 今地球で起きていること、コロナ禍のパンデミックとは、地球の歴史の中で捉えるとどのようなものでしょうか。単純に自然と人との戦争であるといってよいのでしょうか。 45億年前に地球が誕生し、41億年前には既に原核生物として古細菌が誕生しております。その後ミトコンドリア、恐竜の時代を経てようやく霊長類、人類の時代となりますが、これはほんの40万年前からで、大噴火や氷河期の過程を経て、人類は脳や体の機能が強化されつつ進化し唯一天敵のない生命体として現代に到っております。しかし、生き残った者のみでの進化の結果であり、「自然」だけは、絶対的に勝ち得ない「絶対神」であります。また事前に「自然」からの警鐘が鳴るにもかかわらず、それを甘く見て更に厳しい状況に置かれるのも、地球の一課程「摂理」といえるのではないでしょうか。
 その一過程コロナに感染するという現像は、その予防諸策、更にワクチン開発と接種という命題を生みました。そしてこれが新たな倫理を構築しつつあります。それに伴い人は言語、宗教、国家等を元に社会規範を再整備し始めました。そのようないわゆるパラダイムシフトの中で、人に必要なのは、その再整備作業を人と人とに知らしめる役割の「人」であり、我々行政書士もその役割の重要な一端を担っております。
 行政書士は、その制度上役所と人を繋ぐ士業者と考えられがちです。しかし、役所もビューロクラシー(官僚制)を元に組織が如何に巨大であっても、運営するのは普通の「人」です。その人と人とを繋ぐ役目として「行政書士」が存在します。我々は物質ではなく人を繋ぐのが仕事です。
 さて、ここまで読んで頂きました皆様、本当にありがとうございます。「行政書士ってなんだっけ?」或いは「法律を勉強していて役所の提出書類を作ってくれる人とは何となく知ってるけど、見たことも無く縁がなさそう。」と、言われることが大半です。
 実際は北海道に約1900名が事務所を構え、コロナ禍においても、能力維持、品位保持の研修講習をしっかり執り行い、いずれの行政書士でも皆様との切り口は同様の対応可能な状態となるよう会員一丸となって努力致しております。加えて他士業より徹底した守秘義務を課すため、必然として皆様の目につきづらいのも特徴であります。
 世界中で、また日本国内で多くの人が毎日人生の生から死までを人と繋がりながら、様々な欲求を満たしながら地球上に生存しております。更に近年の情報革命は既にAI活用の時代をもたらし、これからはのび太君(人)とドラえもん(AI)という主補関係の保持により人類の益々の発展が見込まれます。そのような中、行政書士は、その「人」に対し業務を行うことは永遠に変わることはありません。かつてウィリアム・ベヴァリッジが示した中での福祉・公的扶助(社会保険分野以外)を念頭に行政書士は人の側に立ち、皆様に寄り添いつつ、人の欲求に答えるべく業務を熟してまいります。
 我々行政書士は、行政書士の仕事を愛し続け、会員一人一人の心の繋がりを大切に、地域の人、道民、国民、世界の皆様へと繋がりを広げていくことを使命として、これからも脈々と地味ではありますが、きらりと光る活動を続ける所存です。